Profile

久々野智 小哲津(くくのち こてつ) ブランドプロデューサー/事業家

商品やブランドや企業の魅力を高め、世の中に届ける仕事。
個人向けの海外ブランドの日本進出から、IT関連の事業、
エンターテイメント事業など、経営してきた会社は多岐に渡り、
合計7社を経営。
その後、今日に至るまで、海外ブランド・国内の人・もの・企業・番組・イベント・
タレント・テレビCM・広告などブランドの
クリエイティブなど130のプロジェクトを担当する。
現在も、多種多用な業界の15社前後の上場企業や、業界トップ企業の、
ブランド顧問・アドバイザー・プロデューサーなどを務めている。

About The Brand

ブランディングとは「見せ方」の話じゃない。

これがぼくのブランディングについてのスタンスです。
「自社をブランディングしていきたい」という経営者さんと最初に会ってお話させていただくと、
ブランディングを「デザインの話」だと勘違いされている方が多くいらっしゃいます。
でも実際にデザインに力を入れて、HPを変えたり、商品パッケージを良くしても、強いブランドはできません。
デザインが変わったことで一時的には新しさによって反応が良くなることはありますが、
そんなに頻繁に変えることができないデザインによってもたらされる効果は
短期的なもので終わってしまいがちだということです。

本当の強いブランドとは、ヨーロッパで知られているラグジュアリーブランドのように、
長期に渡って自社に利益をもたらしてくれます。
ぼくが考えるブランディングとは「思想による差別化」です。
Appleが1997年に公開した「Think Different」のCMとその反響はあまりにも有名ですが、
ここでは一切商品の話は出てきません。CMがかっこ良かったことが強いブランド作りにつながったわけでもありません。

ジョブズは「我々の顧客は世の中を変えていくような力を持ったクリエイティブな人たちで、
我々が使う商品はシンプルで美しくあるべきだ」という、他のPC、電器メーカーとは異なる強い思想を持っていました。
Appleがここまでの強いブランドになったのは、「他にはない思想」をスティーブ・ジョブズが強く打ち出したからです。
見せ方やデザインの話の前に「ブレない思想」があるからこそ、それが商品、売り場、商品発表、CMなど
すべてに「一貫して」反映することができました。
そしてジョブズが言うように「シンプルさや美しさ」が大事だという「同じ価値観」を持った人たちが、
Appleの思想に強く共感して熱狂的なファンになっていったわけです。

多くの企業は、商品によって差別化を実現しようと努力しています。
「御社の強みは何だと思いますか?」と話を聞くと、ものづくり大国として歴史から影響を受けているからか、
商品における「こだわり」について熱く話をされます。
でもあらゆる商品・サービスの品質が高くなっている現在、こだわりを打ち出しても、
マニアを除くお客さんから見ると大きな違いを感じないのが実際のところです。

例えば、ビールやチョコレートをブラインドテストしてみると、半分以上の人は正確に答えを
言い当てられないでしょう。なので、「商品における差」を打ち出すのは、自ら埋もれにいくようなものです。
ぼくは日本発の現代における最強のブランドは無印良品だと思っていますが、
無印は商品の品質や性能、コスパによって差別化していないのは明らかです。
無印良品も行き過ぎた消費社会へのアンチテーゼとして「シンプルなもので囲まれたライフスタイル」という
他にはないスタイル(=一種の思想)を一貫して打ち出すことで、世界に通用する強いブランドになっています。

ではどうすれば強いブランドを作れるのかいうと、時間をかけて自社のリソースを棚卸しをすることによってです。
その上で同業は大事にしていないけど、自分たちにとっては大事だといえる「思想」を見つけ出します。
それを自分たちだけでやるのはかなり難易度が高いことです。
ただでさえ日本人は思想という抽象的なものを扱うのが苦手なことも関係しています。
だから、時間がかかってもいいから自分たちにしか打ち出せない思想を明確にして、
強いブランド作りをしていきたいという企業さんには、ぼくが一定期間アドバイザリーとして伴走して、
「客観的な立ち位置」からブランド構築のサポートをしています。

「強いブランド作りには3年はかかる」というのが、
多くのクライアントさんと一緒にブランド構築をしてきたぼくの考えです。
まず最初に必要なのは、ぼくがいう「思想の差別化」というブランディングの考え方を理解すること、
体に馴染ませることです。

ぼく自身はマーケティングを中心において今とは違う事業を年商数十億規模でやっていた背景があり、
そこからヨーロッパの高級チョコレートを日本に持ってくる新規事業をしたときに、
今の考え方に通じる「ブランド理論」を初めて学びました。
というのは、これまでのマーケティングの考え方で広告宣伝を駆使して、
商品の差別化によって買ってもらおうと思ってもそれがまったくうまくいかなかったからです。
そこでヨーロッパのブランディングが得意な老舗企業の経営者のところに何度も通って、
他とそこまで大きな差があるわけではない商品を強いブランドにまで育てて維持しているのかについて、
頭を下げて教わったわけです。

今思うと、マーケティングの考え方が体に染み付き過ぎていたことが、
ブランディングについて理解することを妨げていたような気がします。
例えば、「大事にすべきお客さんは誰か?」ってこと一つとっても、マーケティングでは「売上ランキング」で
上位のお客様をVIP客として手厚くフォローすることが普通ですが、
教わったブランド作りの考え方においては「ブランドへの熱量」を見極めて、
購買金額が低くても自社への愛着が強くて他にスイッチしないようなお客さんを大事すべきだというようなことです。
だからみなさんもまず最初にやることは、見せ方やデザインの話ではない
「ブランド作りの考え方」という新しいOSを自分にインストールすることが最初です。

次にやることは「思想のポジションング」を作ることです。
ぼくがコンサルティングで関わる場合でもここに半年から1年ぐらいかけます。
それぐらい重要なプロセスだからです。
逆に「思想の言語化」さえできてしまえば、ブランド作りにおいてやるべきことは半分以上終わったようなものです。
最中的には自社のポジションを、「ナチュラルプレゼン」とぼくが呼んでいる
1分間でできる自己紹介に落とし込みます。文字数にして300字程度です。
「これでいける!」というナチュラルプレゼンが完成したら、
出会った人に簡単な自己紹介をするときに作ったナチュラルプレゼンを相手にぶつけますが、
やっている本人がその効果に一番驚きます。なぜなら、1分間話すだけで、
「自分もそのサービス買いたいです」「詳しく話を聞かせてください」と相手から言われることが珍しくないからです。
思想のポジションングができている状態とは、「自分たちがよくいる同業とは全然違う存在」であることを
1分以内に明確に伝えられるようになっていることです。

ここまでくると最後にやることは、自分たちの思想をプロダクトやフロントエンド、
情報発信をする媒体に、より明確に色濃く反映させることです。
ナチュラルプレゼンで伝えている「他とは違う価値観」が、
すべての顧客接点で一貫して伝わるようにしていくわけです。
この段階になってやっと、一番伝えたい自社のポジションが伝わるようにするために、デザインの力も使います。
ブランドができているどうかは、他に自社よりも品質やコスパが良い競合が現れたとしても、
無条件で自社の商品を選び続けてくれる「熱狂的ファン」がどれだけいるかによって測ることができます。

小哲津さんのブランディング論とは何ですか

どのような形でアドバイスをしているのでしょうか

ブランディングが強いとどのような効果があるのか

ブランディングとマーケティングの違い

すでにブランドがあるが、それをリブランディングする場合、どのようなアプローチをしていますか

Brand Producer / Business Conculting

ヨーロッパから高級ブランドを日本での独占販売権を取得して日本で展開したのが、ブランドに触れたスタート。

フランスの名門ブランドオーナー一族との深い繋がりから、ブランドのあり方や作り方を学ぶ。

ヨーロッパのブランドの日本での展開を複数おこなったのち、日本の企業からブランドづくりの依頼が増える。

日本のブランドづくりがうまくいかないのは、『ブランドとは何か?』
『ブランディングとは何か?』がわかっていないのが原因であると考え、
表面的なイメージコントロール以前のブランドの在り方からアプローチを行う。

プロモーション、プロデュースの実績

実績に関しては、守秘義務の関係で公開しておりません。
クライアント様や、プロジェクトによって、お伝えしてもいいものに関しましては、お会いした際にお伝えしております。

Media / SNS / Salon

Contact

ブランディングのご相談、企業の再生、セミナーの依頼など、
さまざまなお悩みについてお手伝いしたいと思います。
ご興味がある方は下記までご連絡ください。
相談だけでも結構です。